真アウトプット奮闘記

アウトプットをしっかり出来る人間となり自己実現を目指す男の奮闘記

笑って生きてそしていけ。

黒カラス。
ゴミを漁りて世を乱す。
僕の出すゴミ見向きせず。
嬉しいような。
悲しいような。

 

階段で。
予想以上に足が出ず。
脛を打ち据え悶絶す。
疲れているなと慰める。
老いた等とは一切認めず。

 

トイレに入りて用を足す。
ふと気づいたら紙は無し。
芯をほぐして紙代わり。
流す瞬間絶句する。
きっちり付いてたウォシュレット。

 

社内にて仕出し弁当昼食べる。
蓋を開けたら具が足りず。
みんなはあるが僕は無し。
竹輪の天婦羅僕は無し。
細かいところで凹む僕。

 

車内にておじいさんが前に立つ。
席を譲るか悩む僕。
『すみませんね』とおじいさん。
隣の学生即譲る。
だらしない僕たぬき寝入り。

 

珍しく携帯電話に着信あり。
勢い勇んでかけ直す。
愛想良さげに出る相手。
神のお告げを伝えられ。
思わず買ったよ壷十万。

 

懇親会にて生牡蛎食す。
皆腹下すが僕平気。
さすが君だと褒められる。
嬉しいような。
悲しいような。

 

髪を切ったよイメチェンで。
会社に行ったよ颯爽と。
一日過ごすが気づかれず。
マイナーチェンジさ。
気にするな。

 

笑いをまとって行けよ僕。
いつか逝くまで生きよ僕。
優しい笑いは救いです。
笑わせようとも笑われようとも。
笑って生きてそしていけ。

私は負けない。

本屋で写真集を買って

売り出し中のアイドルと握手した。
机の下で何度も掌をジーンズに

こすりつけているのを目撃した。
私は負けない。


吉牛で奮発して卵をつけた。
おもいっきし卵の殻が入っていた。
私は負けない。


嫌味な上司に頭を下げた。
君は一級お辞儀士だなと言われた。
私は負けない。


おみくじを引いてみた。
やっぱり凶だった。
私は負けない。


喫煙席で煙草を吸った。
おばさんが聞こえよがしに咳を連打した。
私は負けない。


休日出勤した。
3時間かけた報告書類が強制終了した。
私は負けない。


ワンセグのテレビ携帯を買った。
私のうちは電波が入らなかった。
私は負けない。


念願のロレックスを購入した。
良く見ると文字盤にロラックスと書いてあり

気を失いそうになった。
私は負けない。


ちょいワルが流行っているので

ひげを生やしてみた。
似合わないといわれた。
私は負けない。


強がって少し古くなった牛乳を飲んだ。
強烈に腹が痛い。
私は負けない。


まあまあイエメンでしょ?
イケメンと言いたかった。
私は負けない。


久しぶりの草野球なので準備運動した。
明らかにアキレス腱がブチって鳴った。
私は負けない。


冷蔵庫を開けた。
あの時買った納豆が大量に残っていた。
私は負けない。


女友達からのメールにWと良く書いてある。
正直いまだに意味が分からない。
私は負けない。


百円が落ちていた。
拾ったらパチスロのコインだった。
私は負けない。


ムックに似ているといわれた。
せめてガチャピンが良かった。
私は負けない。


チャーハンをおかずに白米を食べる事が

間違っている事を知った。
我が家では普通だった。
私は負けない。


友達のうちのシロが。
私にだけは敵意をむき出しに吠える。
私は負けない。


デート中に安物の革靴の踵が取れた。
足が吊りそうで厳しかったが

左の踵を常に浮かせてバレない様にした。
私は負けない。


公衆の面前で頭部を痛打した。
血が出ていないか確認したくて仕方ないが

平気な振りをした。
私は負けない。


おじさんの臭いがすると女性社員が言った。
私のコートだった。
私は負けない。


優しさを失いかけたこの都会で。
笑顔を失いそうになる自分に。
私は負けない。

まあいずれにしろ。

鼻毛出てるよと言われた。
まあいずれにしろ出ていたので善しとした。

体調の悪そうな亀みたいと言われた。
まあいずれにしろ亀は好きなので善しとした。

あなたっていつも煙草吸ってるねと言われた。
まあいずれにしろ止めろとは

一言も言わないので善しとした。

渡辺謙からカッコ良さを取ったみたいと言われた。
まあいずれにしろ系統は一緒の様なので

善しとした。

右利きの人が

無理から左で書いた字みたいと言われた。
まあいずれにしろ

左利きなのを知っててくれたので善しとした。

あなたのカラオケって

サビ以外完璧よねと言われた。
まあいずれにしろ

サビ以外は完璧みたいなので善しとした。

太陽が似合わないタイプねと言われた。
まあいずれにしろ

ゆで蛸の様に日焼けするタイプなので善しとした。

シャワーをワーシャーって裏返す人なんて

今時いないと言われた。
まあいずれにしろ

彼女も笑いながら真似してたので善しとした。

オラウータンじゃなくて

オランウータンよと言われた。
まあいずれにしろ

幼少からの間違いを正せたので善しとした。

赤ちゃんは私に似るといいねと言われた。
まあいずれにしろ

二人の赤ちゃんの話の様なので善しとした。

指輪の幅よりダイヤのほうが小さいねと言われた。
まあいずれにしろ

左手の薬指がキラキラしてたので善しとした。

私がもし死んだら

あなたも一緒に来てねと言われた。
まあいずれにしろそれも善しとした。

あなたがもし死んだら

あなたの分も生きるからねと言われた。
まあいずれにしろ

そう願ってやまないので善しとした。

もう連絡しないでねと藪から棒に言われた。
まあいずれにしろ

僕の中にまだ涙が残ってたので善しとした。

また一つ大人になったなと

自称友と名乗る男に笑顔で言われた。
まあいずれにしろ。


命もったいないんで僕は生きるんじゃい!

あし。

最近どうにも足が疲れて疲れて仕方が無いので

病院に行くと
一応疲れていますねと診断された
一応と言う言葉にむっとしたが
いやそれは最初から分かっているのですが
原因が分からんから調べて欲しいのですと尋ねると
それは全くもって意味の無い事だと切り返された
いやいやいやいや

それは可笑しいだろうと反論すると
それではお大事にと診察を完了された
三時間待って三分の診察だったので
尚更気に食わなかったがどうにも気が弱いので
諦めて診察室を出た

次の順番の方どうぞと中から声がして
体格のいい男性がすれ違いに入っていった
私は重たい足を引きずり

のっそりと待合室に向かうと中から
最近どうにも疲れて疲れて仕方ないのですが

と聞こえた
ふふふ私と一緒だな
訳のわからない理由で追い返されるぞ

と思い立ち止まって中の会話に聞き耳を立てた

いやあそうですか
最近暑いですからね
何かほかに気になる点はありませんか
膝にむくみ等はありませんか?

私とは随分と扱いが違い

丁寧に診察する声が聞こえた
それでは念の為点滴をしておきましょう

と医者の声がした
気弱な私でも余りの対応の違いにさすがに頭にきて
診察室に引き返しドアを開けた
するとびっくりして目を丸くした医者と
ベッドに横たわる男性が私のほうに顔を向けた

どうかしましたか?

医者がそう私に尋ねた
私は声が出なかった

ベッドに横たわる男性の膝から下が

両足とも無かった
ベッドの下には義足がチョコンと

二つ並べて置いてあった

いや忘れ物をしたと思いましたが

勘違いでしたすいません

私は苦しい言い訳をして診察室を後にした
何とも言えない情けない気持ちで

病院を逃げるように出ると

空が青かった

私は走った
ひたすら走った
疲れなどは消えていた
いやそもそも疲れてなどいなかった


地に足のついていない

頼りない己の足であったとしても
いける所まではせめて
私はいかなければならないのだと

心に誓いながら走り続けた

旅先にて駱駝の口を臭う。

エジプトに行った。
二週間行った。
世界遺産ピラミッドの佇む地ギザでは。
乗ろうとした駱駝の口が超臭かったから。
気持ちが萎えて結局乗らなかった。
駱駝は怒ったのかツバを飛ばしてきて靴についた。
旅行中しばらく臭いが取れなかった。

インドに行った。
一ヶ月行った。
インド第三の都市デリーでは。
おばさんが野良牛(向こうで牛は神様。)を
木の棒でバッチンバッチン叩いていた。
売り物の青草みたいのを食べられたかららしい。
じっと見てたらおばさんに睨まれて

怖くて家に帰りたくなった。

タイに行った。
一週間行った。
タイのリゾート地パタヤーでは。
ムエタイの達人の様な体躯の

オカマちゃんに迫られ逃げた。
そしたら全力で追っかけて来て捕まった。
僕の落としたタオルを笑顔で渡してくれた。
心は許したがやっぱり身体は許さなかった。

イタリアに行った。
三週間行った。
ローマ法王が暮らすバチカンでは。
ワインの飲みすぎで立ちションしてたら

警官に囲まれた。
ドベバーニョ(トイレはどこですか?)と

連呼したら許してくれた。
もう用は足した後だったのだが。

(ほんとにごめんなさい。)

ケニアに行った。
一週間行った。
首都ナイロビのスーパーで買い物したら

スキミングされた。
マサイマラで会ったマサイ族のジャンプ力は

僕と五分だった。
BBQレストランで駱駝の肉を食べたら

硬かったが味は良かった。
エジプトの駱駝のツバみたいに臭くはなかった。


旅先で一番印象的だった出来事を思い出してみた。
旅行中は結構チクショーと思う事もあるけれど。
珍道中ほど帰ってくると楽しかったなあと

思い出す。
旅ってやっぱり素敵だなと思う。
でも駱駝の口はとても臭いです。

ライダーと戦闘員。

友人のYは、ショッカーに所属している。
無論、悪の秘密組織に在籍している訳であり
人様に堂々と胸を張れる仕事では無い。
例えそれが女房、子供を必死に養う

彼なりの生き様だとしてもだ。
だがマスクを脱いだ彼は、

僕にとって胸を張るのに十分足る奴だ。
それは無数の敗北を

背負い続けてゆかねばならぬものであればこそ
初めて纏う事が出来る、
そんな種類の優しさを

彼が持っているからなのだと思う。
つい先日も僕では無く彼が、
酔っ払いに絡まれた女性を何躊躇う事無く、

助けに入った。
それは、常勝無敗が宿命である

僕よりもずっと速く、そして潔かった。
そして彼は、万年ヤラレ役の

ショッカー戦闘員である。
長年培った所作が体の芯にまで

しっかりと染み込んでいるのだ。
彼は酔っ払いの振り回した拳に

対峙するや否や身を交わすよりもむしろ、
素早く自分のあごをカウンターで

おじさんの拳に合わせるという
非常に特殊な技術を用いて鋭くヒットさせ
小気味良い程にもんどりをうって

倒れ込んでみせたのだ。
しかも倒れ際に周りの人々が

ギクっとする程の大きな声で
『イィーッ!』
と、ショッカー戦闘員特有の

奇声を発したのだった。
それを聞いた酔っ払いのおじさんは、

日々のこびりついた疲れを忘れ
助けてもらった女性は、

この世界がまだ終わっていない事を胸に刻み
お互いその場を立ち去っていったのだった。
僕はユラユラと立ち上がる彼の肩を叩き、

大丈夫かよと尋ねると。
よう。おれはショッカー戦闘員だぜ。
あんな酔っ払いのヘナチョコパンチ

痛くも痒くもないさと強がって答えた。
僕は彼の前歯が完全に

へんてこな角度に曲がってるのに気付いたが
あえて気付かない振りをして、

じゃあ飲みにいこうぜと軽く肩を叩いた。
ああ。そうだな。
しかしお前よ、そんなに心配してくれるなら

普段のキックとパンチを
もう少し加減してくれねえかなあと

肩をすくめて笑った。
ああ、そうだな。次からは気をつけるよ。
と、僕は腰の変身ベルトに親指をかけながら

ニヤリと返した。
本来、このベルトはYのような奴の腰にこそ、
巻かれるに相応しいものなのだろうと思う。
もしもこの世界に

正義も悪も存在しなくなるのならば
僕は、これ見よがしにでかいこのベルトを外し
彼は、悲しいほどに汗臭いマスクを脱ぎ去って
生まれたてのような嘘の無い笑顔を取り戻し
そして心の底から笑い合う事が出来るのだろう。
そんな世界がいつか訪れるよう、
僕は、彼とでは無く。
彼は、僕とでは無く。
どこまでも自分自身と戦い続けてゆくのだった。

正解と不正解。

『ヨーイドンッ!』
した瞬間に全力でこける。
全力出した結果なので正解。
でも後ろの人に後頭部を踏まれたので不正解。

『グチョッ!』
新品の靴で吐き捨てられたガムを踏む。
他の誰かが踏まなくてすんだので正解。
でも実は犬のフンだったので不正解。

『ズルッ!』
凍えるアスファルトでカッコ悪く滑る。
向こうから来た女の子を笑わせたので正解。
でも足をめっちゃグネったので不正解。

『ゲボッ!』
安酒を呷り過ぎ粗相する。
翌日二日酔い無く企業戦士に変身で正解。
でもそんな自分に酔っている様では不正解。

ガリッ!』
あめを辛抱溜まらず噛み砕く。
妙に気持ちいいので正解。
でも虫歯にあめが突き刺さり激痛に白目をむき不正解。

『ビリツ!』
何度も書き直してる青臭い告白メールを今日も削除する。
彼女には愛する人がいるので正解。
その事実を知りながらも潔く明日へ向かわない僕は不正解。

『ポチッ!』
カーナビのスイッチを押す。
最新のカーナビに女友達羨望で正解。
でも音量が最大だったのを忘れていて超ギックリで不正解。

『ガチャッ!』
勢いよく玄関を開ける。
素晴らしく晴れた空に心も晴れて正解。
でもNHKのおじさんが丁度集金に来ていて不正解。

『ドクンドクンッ!』
僕の魂は今日も一生懸命に脈動する。
身体は生きる事にひたむきなので正解。
そのありがたさを時折忘れる僕は不正解。


正解と不正解の狭間で揺らぎながらも生きてゆこう。
ほんとうに大切な事を見つけられたなら正解。
ほんとうに大切な事を見つけられなくっても。


それも正解でいいからさ。