心中穏やかでありたい。
やめたいと言うとやめちゃいなと君は言うそんなに簡単じゃ無いよって言うといつも簡単だよと返されるいつか君は僕をやめるのかいつも簡単みたいだからとても恐ろしい一先ず君の胸に耳をよせて心拍数を把握しておく事にする 一緒だねと言うと一緒じゃないよと…
黒カラス。ゴミを漁りて世を乱す。僕の出すゴミ見向きせず。嬉しいような。悲しいような。 階段で。予想以上に足が出ず。脛を打ち据え悶絶す。疲れているなと慰める。老いた等とは一切認めず。 トイレに入りて用を足す。ふと気づいたら紙は無し。芯をほぐし…
嫁の腹が日に日に膨らんでゆく。検診に行くたびに倍の生命力で大きくなってゆく。嫁は四六時中続く気持ち悪さを懸命に我慢している。風邪を引いてもなるべく薬を飲みたくないという。嫌いなニンジンも頑張って食べている。大嫌いな魚の小骨も頑張って噛みし…
今日も世界の何処かで。手を失う人がいる。足を失う人がいる。光を失う人。音を失う人。親を子を友を愛すべき者を何故なのかと考える刹那さえ無く。恐るべき瞬きの中。全てを失う人がいる。 ああ俺よ。誰かの為に祈る事すら惜しむような俺よ。携帯電話を失う…
首がスッカリ伸びきって。 おじさんのランニングみたいになったTシャツ。 もう十分役目を果たしたんだけれど。 洗濯してたたんでしまうと。 愛着なのか。 せこいのか。 何故だかまた着てしまいます。 同じく靴下。 パンツもそうだ。 靴下はまだ穴さえ開いて…
ハルマゲドンこねーかなー。37歳の先輩はそういう。こないでしょうねえー。僕は答える。 俺を殺してくれよ。 37歳の先輩はそういう。 僕は捕まりたくないから嫌ですよ。 僕は答える。 知らない人とは住めねーよ。37歳の先輩はそういう。じゃあ結婚は出…
手が届かないというからかわりに蛍光灯を換えてあげた 堅くて開かないというからかわりにフタを開けてあげた 重くて動かないというからかわりにソファーを運んであげた うまく出来ないというからかわりに愛想笑いしてあげた 悲しいのに涙が出ないというから…
あなたを想えば私が私を溢れます だけれど誰かの為に泣けるほど美しくなんて無いのだからこれはきっと涙ではないのです ほんとはもうはっきりとは覚えていないのだからこれはきっと涙ではないのですそれはきっと知らない海に繋がれているのです だからきっと…