真アウトプット奮闘記

アウトプットをしっかり出来る人間となり自己実現を目指す男の奮闘記

月曜の朝。

朝目覚めた瞬間より疲れている

カーテン越しの空が青いほどに煩わしい

早朝からテンションの高いニュースキャスター

辛過ぎてつけた瞬間に消してしまった

起きてから30分でタバコ10本も吸ってるな

腹が痛いがトイレに行くと遅刻するので我慢する

新聞の見出しが荒んでいるので読むのをやめた

洗面台で顔を洗ったが自分の顔は見ないようにした

気づいたらまたタバコに火をつけていた

今日一日の仕事の段取りが

頭の中をグルグルと回り続けている

携帯の電池があと少しなのに気づき慌てて充電する

昨日の夜眺めた弓張り月を想いだす

宇宙の広さとちっぽけな自分を比較する

たいしたことねーな俺。と妙に心が落ち着く

荷物をあえて雑然とカバンに詰める

新渡戸稲造の武士道は取り易い位置にしまう

ドアをけり開けるように外にでる

今週もなんとかなりそうだ

蓑虫。

みのむしになろう

みのりきることがたいせつなんだね

なにものかであるかなんて

なにものにもきめられないし

なにものにもわかりはしない

ましてやせかいのせいかいなど

 

かみさまだってほんとはしらないかもね

 

すべてをしらなければならないないて

すべてをしらないひとがきめたきめごと

 

そんなことより

 

みのぶくろにはいって

すこしやわらいだ

にしびのかぜにゆられよう

 

にんげんにたとえるなら

むずかしいじがたくさんかかれた

こてんしょうせつをよみながら

はんもっくにゆられる

おじさんのきぶんらしいとのこと

 

ふくろのなかはあんがいすずしいって

おかあさんのともだちのしんせきの

もはやだれだかわからないひとも

ゆっていたらしい

 

にかいゆっていたらしい

 

いっていたとゆわないとこが

みそなんだぞって

いつもあからがおのまたいとこのおじさんが

とくいげにいっていたとききました

 

そのおじさんもせんげつほしになりました

いやせんせんげつだったかな

ここからみえるよぞらからは

みえないほしになったことでしょう

 

ほしはきょうもとてもきれいなのに

ここのかくどからはみることができないのが

ほんとーにざんねんです

かくどをかえたらみえるだけらしいのですが

 

みのむしとして

 

じぶんがいつか

うつくしいちょうになることを

みめみてゆれよう

ぱぴおんだったか

ぱぴよんだったか

 

でもばたふらいがいいな

ほんとはあじふらいがいちばんすきだけど

すわろうているなんてすてきでしょ

 

ゆらりゆらりろうかいな

まんねんかかりちょうのように

すいけんをきわめた

じゃっきいちぇんの

おししょうさまのように

おおむねありのままに

 

ゆらりゆらゆら

ことしもおおづめをむかえた

なつのせみのこえをききながら

 

ほんとうのしょうたいが

じつは蛾だなんて

そんなのあんまりだなんて

おもうことなく

ゆめにもゆめみることなく

 

いまこのしゅんかんの

かぜにぶらりぶらさがって

みのぶくろもろともいっそ

いったことのないかのちに

ゆられきってしまいたい

 

おおぞらは

いつでもはばたこうとする

ぼくたちをさえぎることなんてないのだから

 

でもぼくはもうしばらくきがすむまで

みのぶくろのなかでゆられよう

 

じつはぼくのさいしゅうとうたつちてんが

ここだったのなら

このばしょをあいすればよいのでそれでよい

このばしょでわらえればそれでよい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

好きといおう。

好きといおう

好きというのであれば

 

それは明日では無い

 

今好きであれば今いおう

 

好きという

好きといおう

好きであるといおう

 

好きならば好きといおう

 

好きなのだから好きといおう

 

それは今を生きるということ

 

好きだから好き

好きなのだから好きなので

 

好きなことが好きなのではなく

好きだから好きなのだ

 

好きなのだろう

好きなのだ

好きだ!

 

 

 

どん兵衛のきつねうどんが

 

 

 

ただそれだけのこと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鯉と金魚と私。

鯉が私の足に近づいてきて

パクパクと口を寄せてきた

腹が減っているのかと思い

私は口から金魚を吐き出し

鯉が食べるのかとみつめた

だか金魚が口を大きく広げ

鯉をすっぽりと口に含んだ

金魚の口の中で鯉は眠った

私は鯉の口の中で眠りたい

 

 

 

 

そして笑おう。

ラーメンをすすろう

そして笑おう

鼻の穴から似合わないチョビ髭のように

麺が飛び出すくらいでちょうど良い

寧ろ気づかれた直後スルッとすすり上げれたら最上

 

牛乳を飲もう

そして笑おう

実は小学校6年間

給食の牛乳は一滴も飲んでいないけれど

あの頃の敗北感は今となっては誰のものでもない

 

ガリガリ君を食べよう

そして笑おう

顔がよじれるほど

歯に染みたっていいさ

心に沁みるのはあなたの笑顔だから

 

泣きたいだけ泣こう

そして笑おう

耐えきれず泣いてしまったら

耐えきれず笑えるといい

一緒に笑っていいのかな

 

今日を生きよう

そして笑おう

明日は今日よりも楽しいよ

だからそんな事悩んじゃだめだよ

いつまでも一緒に笑っていてもいいかな

 

 

 

 

 

 

 

泣きぼくろ。

僕がまだ小学生だった頃。

父と母は毎日の様に喧嘩をしていた。

母は父の稼ぎの少なさを貶し。

父は病弱で働きに出れない母の不甲斐なさを責めた。

『お父さんとお母さん離婚するかも知れない。』
『お前はどっちに来たい?』

こんなにも恐ろしい質問を

浴びせられる事も日常だった。
僕は唯一大人に対抗出来うる手段。
涙をもってして

二人の離婚を阻止しようと試みる毎日だった。

小学生の僕は毎晩寝る前に祈った。

お父さんとお母さんが喧嘩しませんように。
お父さんとお母さんが離婚しませんように。
お父さんとお母さんが仲良くなりますように。
みんなが幸せになれますように。

毎晩布団の中で百回祈った。
百回祈れば明日の朝には

みんな仲良くなれることを信じて。

それでも土曜の夜には

また当たり前の様に喧嘩が始まった。
きっかけはきっと些細な内容だったのだと思うが。
父が怒り母に投げ付けたニンジンが。
押入れの襖に突き刺さったことは

今も鮮明に忘れない。
ニンジンの絶望的に綺麗なオレンジ色を

決して忘れない。

僕より小さな妹は

こんな状況を全く気にすることも無く。

ブラウン管のドリフターズ

キャッキャと笑い魅入っていた。
僕は妹の後ろに座り。
僕よりもずっと小さく無防備な。
笑ってはしゃぐ無垢な背中を

しっかり強く抱きしめた。
ブラウン管の向こう側の陽気で楽しい世界の様に。
こっち側の僕らの現実も。
陽気な笑顔に包まれる日が

絶対やって来ると強く信じた。


お父さんとお母さんが喧嘩しませんように。
お父さんとお母さんが離婚しませんように。
お父さんとお母さんが仲良くなりますように。
みんなが幸せになれますように。


小さな心の中ではいつまでも。
祈りの言葉だけが永遠に繰り返されていた。


あれから二十年近くたち。
祈りが通じてくれたのかどうか。
今をもって父と母は二人で暮らしている。
最近ではもちろん歳のせいもあると思うが。
随分とお互い心穏やかになってくれたので

とても嬉しい。
今ではあの小さく無防備な背中だった妹の。
可愛い赤ちゃんに二人揃ってぞっこんだ。

そして大人になった僕の左の目尻には。
二人の離婚を阻止する事が出来た

勲章であるかの様に。

泣きぼくろがぽろり一粒。

あの頃の涙の意味を称えてくれる様に。
少しだけ誇らしげにたたずんでいた。