真アウトプット奮闘記

アウトプットをしっかり出来る人間となり自己実現を目指す男の奮闘記

饒舌に鳴く冬の夜。

苦節六年程度の事であるが舌で鼻をほじる練習をしている。
厳しい道程ではあったのだが左穴はこなせる様になった。
しかし右穴が手強いのは顔面が左右対称ではない為か。
どうしても核心に迫る程にじり寄る事が出来ない状況だ。
しかも練習中に放つ奇天烈によじれあげた滑稽な顔面を
他者に度々見られてしまっているという気不味さもある為。
此処まで来たら是が非でも成功させねばならないのである。
練習中に眠ってしまい煙草の不始末でボヤを起こしもした。
目覚めた瞬間眼前に火柱が立上っていた光景は忘れない。
焦げた絨毯を拭いている内に夜が開け朝日を見た時には。
僕は生きていますと出張先の焦げ臭い借家で心底実感した。

そして成功させれば六年に渡る辛酸にケリをつける算段だ。

成功した瞬間それは挫折から栄光への道に姿を変える筈だ。
だから今日も明日も明後日も成就出来るその日を夢見て。
僕は舌で鼻をほじる練習をし続けなければならないのだ。
既に左穴を無事完遂し残すところは右穴だけなのである。
小汚い奴と嘲笑される事になろうがなるまいが問題ない。
泥仕合や寝技に持ち込む事それこそ僕の真骨頂である。
僕の人生は随分と泥臭くて遠回りに出来ているのである。
だが必ず大切な皆に笑顔を届ける為日々研鑽に励むのだ。

舌で鼻をほじる生き様の僕を信じ待つ愛すべき者の為に。