真アウトプット奮闘記

アウトプットをしっかり出来る人間となり自己実現を目指す男の奮闘記

あなたを愛す。

所謂、出会い系の掲示板で知り合った
あなたは、豆とプリンが好きですとだけ書いてあり
僕は何気なしにメールを書いた
所謂、メル友の全盛時代だったのだろう
メグライアンとトムハンクスの映画が

火をつけたらしい

あの頃の僕は、今後の意識機構に

暗い影を落とし続けるかのような失恋をし
寂しさと虚無感を紛らす為に
特に興味もなかった

メールなんていうものをしてみたんだろう
そのように今は冷静に内省できる

ハンドルネームお豆さんは自然だった
同時に何人かのメル友ともメール交換をしていたが
お豆さんへの返事だけは一番に書いていた
何がどうしてなのか
理由なんかなかった
格別楽しいわけでも
殊更引き付けられる訳でもなかったんだ

当然、顔も分らない訳だから
ビジュアルに惹かれる訳でも何でもなかった
今、突然返事を書かなくなったら
ぷっつりと細い糸は簡単に途絶える
メールとはそういった類のものでしかなかったし
それが普通だとごく自然に考えていた

実際に一度、お豆さんからメールが来なくなった
去るもの追わずの当時の僕としては
返事が来なくなれば
はいそれまでよとばかりに
続けざまにこちらから

メールをすることはなかった
しばらく。。。
1ヶ月くらいだろうか

なんとは無しにお豆さんを思い出した僕は
前言をあっさり翻し
なんとは無しのメールをお豆さんに送った
その2日後くらいだったか
なんとは無しにお豆さんから返信メールが届いた

お互いに空白の1ヶ月には何も触れずに
それが自然の事の様にまたメールが始まった


初めてあったのは、

初めてメールをしてから半年後くらいだったか


新宿の南口に待ち合わせをしたんだ
僕は自分の電話番号をメールで教え
お豆さんはそこにかけてきたんだ
偶然なのか必然か
お豆さんは僕の目の前で僕に電話してきた
目が合った瞬間にお互いは
或いは僕だけだったのかもしれないが
相手を瞬時に認識することが出来た

仮想のお豆さんが現実のあなたに
近くて遠いような、

見えるようでいて見えないような
透明な薄い膜のような

絶対的な境を飛び越えた瞬間だった

2人のある意味2回目の初対面はやはり普通
よく言えば自然だった
所謂、昔の友達に久しぶりにあったような感覚
やや恥ずかしいような、緊張するような
だけどすぐに打ち解けてしまう
そんな会話がつらつらと自然に出来た
人見知りの激しい僕としては
へえ、こんな僕がいるのかという新発見でもあった

それから2人は自然に友達となり
やがて自然と恋人となり
彼是もう5年もたったんだ

そして、明日には連れ合いになる

そもそもの始まりは
そう僕の何気ない
若しくは不純なメールであったのかもしれない

でも僕は、自然に伝えられる


あなたを愛すと